2023梅子杯トライアウトブログ ~モーションを徹底的に考える!~
こんにちは、広報の保科です。
9月30日、10月1日の2日間にわたって、対面NA大会である梅子杯が開催されます。
ひっちゅーでは、大会に先立ち9月前半にトライアウトを行いました。そこで今回は、ひっちゅー1年生の池田碧月さんにトライアウトのブログを書いて頂きました!
大会での学びやモーションの分析がたっぷり詰め込まれていますので、ぜひ最後までお読みください😊
はじめまして、建築学科1年の池田です。
ここで「あれ、一橋に建築学科なんてなくない?」と思った方、鋭いですね。実は私は一橋生ではないのですが、インカレという形でひっちゅーに入らせてもらっています。もともと中学と高校でディベート部に入っていたのでディベートの基礎は心得ているつもりでしたが、大学ディベートはこれまでと違うところも多く、試行錯誤の日々を送っています。
今回は9月7日に行われた梅子杯のトライアウト(選考会)について書かせてもらいます。
私は日程の都合が合わず梅子杯には参加できないことが最初からわかっていたのですが、トライアウトでは他校のディベーターの方がジャッジをしてくださると聞いて、トライアウトだけでも参加させてもらいました。
特にこれといった準備はせずに挑みましたが、事前に一応自分なりのディベートの流れを整理してパソコンのメモに書き留めておきました。
Model/Definition
Assertion (Identify problem in SQ that motion would solve/worsen)
Reasoning (Process)
Examples (固有名詞)/Illustration
Impact (What, Who, To What extent)
Examples/Illustration
トライアウトはZoom上で行われ、モーションが二つ出され、PMとLOの立場でそれぞれ7分間のスピーチをするという形式で行われました。
一つめのモーションは”THW ban tobacco"で、Govの立場から議論しました。
王道モーションです。けど、王道が一番難しかったりする。
アーギュメントはこんな感じで建てました。
Non-smoker's health
Reasoning:
In SQ, smokers are allowed to smoke in most public areas. Even if designated smoking areas exist, they are not often sealed and let smoke out. Furthermore, people are allowed to smoke in their houses. This means that many non-smokers are being exposed to second-hand smoke on a regular basis, sometimes even daily. Second-hand smoke includes many toxins such as cyanide and is a health hazard.
Impact:
Exposure to second-hand smoke can increase the risk of heart disease, lung cancer, and breathing impairments such as asthma. It's especially dangerous for young children since it can irreversibly damage their growth, as well as people with respiratory conditions since the smoke can trigger their condition and threaten their life.
Smoker's health
Reasoning:
Analogy: Recreational drugs are banned because they are very harmful.
Characterization: Smokers are not rational thinkers and cannot make rational decisions. The addictive nature of tobacco makes smokers reliant on tobacco and make them unable to quit tobacco on their own.
Impact:
Better health.
Weighing: Short-term boost of dopamine v.s. long term health benefits
フィードバックとしては、
・イントロ、具体例、イラストが良かった。
・Why invading health is such an illegitimate thingの説明がなかった。
誰かの自由なchoiceが他者の権利を侵害する時(Harm principle)を用いて説明するべきでした。
- 人間は短絡的で目の前にある利益(=ストレスからの解放や短期的な満足感・快楽など)を追求してしまう。
- タバコを吸うことで生じる害は徐々に蓄積していくものであり、想像可能なものではない。
- 周りにタバコを勧められたり、周りと合わせるためにタバコを吸う(Peer pressure)。タバコの害を教えた上で勧める人は少ない。
結論:個人はタバコを吸うことで生じるメリット・デメリットを総合的に判断することはできない。
このようなことが言えたら良かったです。
・どうやって禁止するかをもっと明確に定義するべきだった。
OPPが出してくるカウンターモデル(さらに厳格な分煙の実施)に対応するべきでした。
・プライベートな場での喫煙は防げない(家父長制(partriarchy)の下ではタバコをやめてと言えないケースがある)
・分煙を守らない人が存在する(軽犯罪を全て罰するのは不可能)
結論:どんなに吸い方に制限をかけても、他者の健康維持の権利が侵害されるため、個人のタバコを吸うchoiceは不当なものである。
・アナロジーが不十分だった
「こういうとき/こういうものは禁止すべき」「アナロジー」「タバコのapplicability」の順番で話したり、アナロジーを説明した後に、「なぜそれは現状禁止されているか」を説明するべきでした。
二つめのモーションは”THBT doctors should report all suspected cases of domestic violence"で、Oppの立場から議論しました。
1. Discourage victims to seek treatment
Reasoning:
Characterization-Victims of DV have an emotional bond with their abusers and are often manipulated into trusting their abusers. Incentive-They don't want to let others find out about the abuse.
They will refuse to go to the doctor even when injured or sick, and will not be able to receive proper treatment. They will refuse to seek any psychological help (therapy) even when they need it.
Impact:
Will lose their life /be permanently impaired/have to endure permanent or prolonged suffering from their illness or injuries.
Lower chance of victims coming to terms with and escaping DV.
2. Violates the trust between doctor and patient
Reasoning:
Doctors hold leverage over patients (societal status, hold power over health and life or death of patient)
Victims don’t expect to be reported → Lead to distrust, feel as if they were betrayed.
Impact:
Victims won’t trust authority figures like police or therapists.
Counterproposal: かかりつけ医 build trust with patient and convince them to report abuse.
良いアーギュメントが思いつかず、悔いが残るスピーチになってしまいました。
フィードバックとしては、
・Your counter proposal that doctors should only report cases involving minors cannot be mutually exclusive to the motion.
Counter proposalで未成年が被害者の場合のケースについては原則通報するとしたのですが、振り返るとこれはSoft stanceすぎてディベートの幅を狭めてしまう判断でした。
・DVの発覚・通報を恐れて被害者が病院を避ける話と加害者が被害者を病院に連れて行かなくなる話はMutually exclusiveじゃない(Govでも起こりうる)ため、Probabilityで勝負するしかないが、証明しきれていなかった。
医者に疑いをかけられたら100%通報されるGovの世界と比べて、疑われても通報されるかされないかは医者の裁量次第であるOppの世界の方がProbabilityは低いが、どの程度変化があるのかを証明することは難しいので、適切なアーギュメントではありませんでした。
どちらのスピーチに対しても丁寧なフィードバックをいただきました。
同じスピーチに対して三人のジャッジの意見を聞くことができる機会はなかなかないので参考になったし、今後も積極的に大会に挑戦したいというモチベーションになりました。
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